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函館の寿司屋に入ると、時々「あぶらっこ」とか「アブラコ」という名前を壁の木札に見つけることがある。 大磯でアブラコといえば、背びれのトゲトゲによってヒイラギとも呼ばれる木の葉のような小魚のことで、これは干物にするととても美味だが寿司ダネに使えるほど大きくはない。 北海道で「あぶらっこ」、関西では「アブラメ」とも呼ばれるこの白身の魚は、標準和名をアイナメという。 低い水温を好む寒流系の魚で、居酒屋の王者ホッケもこのアイナメの仲間だ。 全長30〜40cm、時には60cmを超えるまでに成長し、その紡錘形の体から、大きいものは「ビール瓶サイズ」と表現されたりもする。 イワシやカツオなどのように広い範囲を群れて回遊したりせず、岩礁帯や堤防の陰に孤独に「定住」。 浮き袋も持たない根っからのダイバーぶりに敬意を表してか、アメリカ海軍では過去2隻、アイナメの英語名であるグリーンリングという名を冠した原子力潜水艦が建造されている。 先月の頭にかけて一週間ほど道南に滞在していたとき、人生初の川釣りをガイドしてくれたKさん紹介の函館の釣具屋で、この周辺の海の釣りものを尋ねてみると返ってきた答えがこのアイナメだった。 さっそく基本の仕掛けと竿を購入し、向かった先はアイナメやソイなどの根魚スポットとして有名だという森港。 明治元年、榎本武揚率いる旧幕府軍が北海道にその第一歩を印した鷲ノ木の上陸地点から海岸沿いに東へ数km、噴火湾(内浦湾)に面した森港は、ホタテやスケソウダラ漁などの拠点港として多くの漁船を集める。 周辺の農家に肥料として卸すためのホタテ貝の貝殻が、正に山となって積み上げられ、背後にそびえる駒ケ岳とその高さを競っているようだ。 係留中の漁船がかけている大音量のラジオ番組が、時折吹き付ける我に返らされるような冷たい風に乗って途切れ途切れに聞こえてくると、どこかスキー場にでもいるような錯覚を起こす。 今回釣具屋のおやじさんが見繕ってくれた仕掛けは、一般的に「ソフトルアー」と呼ばれる疑似餌を用いるものだ。 ルアーはエコギアの「チカチカ室蘭」 北海道限定商品らしい ナブラだとかソコリだとかマヅメだとか古式ゆかしい(?)日本語がいまだ多く使われている釣りの世界だが、イギリス発祥のルアーが絡んでくると突然横文字の氾濫が始まる。 釣り糸はライン、仕掛けはタックルと名が変わるだけならばまだしも、竿(ロッド)や糸のサイズの単位がフィートやポンドになっているので、せっかく覚えた「号」や「間」の感覚(センス)をリセットしなければならないことが、これまでルアー釣り(フィッシング)への敷居(ハードル)を高く(ハイに)していたのだった。 しかし今回の仕掛けは、完全おやじさん責任編集。 「ルアー初めてなんすけど釣れますかね?」 「釣れます!2〜3匹はきっと釣れます!」 という心強い言質と駒ケ岳に背中を支えられながら、釣り人どころか港湾関係者の姿も見えない正午すぎの森港にチカチカ室蘭を投げ込んだ。 (つづく) ↑ このブログのランキングです |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
あぶらっこ、おいしいんだよー。 |
あや 2008/07/05 03:27 |
グフ |
磯っこ 2008/07/05 04:06 |
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